生命力と治療法
ある男性は、治療法も不明なまま病院に入院させられました。
病院の担当医は膀胱に原因があるかもしれないと考え、膀胱を切除してしまいました。
・・・しかし、原因は膀胱ではなかったらしく、男の病状は悪化の一途をたどっていきました。
それ以上打つ手がなく、担当医は男を退院させました。
衰弱しきった声で男がわたしに電話をよこしたのはその直後のことでした。
おとなは診ないことにしていたのですが、話を聞くとあまりに気の毒なので、ひき受けずにはいられなかったのです。
診察をすませたあと、わたしは男に昔の事故のことを覚えていたら話してくれと頼んでいます。
肋骨のあたりに過去の骨折の痕跡が感じられたからです。
男は驚きの表情を浮かべ、17年前に急なのぼり坂を運転中に対向車と衝突した事故について話しはじめました。
その事故のショックがからだのなかに残り、生命力がブロックされて、じょじょに衰弱してきたことがすぐにわかりました。